猫の閉塞性肥大型心筋症の治療

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はじめに

肥大型心筋症は猫の心臓病の中で最も多く発生する心疾患です。

心筋症は心筋細胞の機能が障害されることで心臓全体の機能が低下し、循環不全を引き起こす病気です。進行したケースでは肺水腫や血栓症などの命に関わる重度な合併症(心不全)を招くことがあります。

 

診断

肥大型心筋症の臨床診断には心臓超音波装置を用い、心室壁の厚さや左心房の大きさに基いて診断します。正常な左心室壁の厚さは5mm未満ですが、6mmを超えている場合は本疾患を診断します。この疾患の中でも、心室中隔の一部が肥厚して左心室内に突出することで、左心室から大動脈への入口が狭くなるタイプは閉塞性肥大型心筋症に分類されます。

 

治療

心筋症には根本的な治療法がありませんが、早期発見と適切な内科治療によって心不全の発生を予防し、苦しまずに日常生活を過ごせるように管理することが出来ます。

閉塞性肥大型心筋症の治療の第1選択薬にはβブロッカーと呼ばれる交感神経受容体阻害剤(アテノロールやカルベジロールなど)が推奨されています。

しかし、βブロッカーに反応しない症例に度々遭遇します。

この場合、人医ではCaチャネル遮断薬やNaチャネル阻害薬の併用が推奨されていますが、獣医療ではこれまで有効な治療法が知られていませんでした。

 

我々はβブロッカーに反応しない閉塞性肥大型心筋症の猫に対し、Naチャネル阻害薬であるジソピラミドの併用を試みたところ、治療効果が確認されました。また、この概要は海外の循環器専門誌(Journal of veterinary cardiology)に発表されました。

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しかし、本治療法は十分に安全性や有効性が十分に確認されている訳ではありません。従って、治療の際には専門医の診察を受ける必要があります。

本院では猫の心臓病について専門医が詳しく対応しております。

気になることやご心配がある場合は、お気軽に本院にご相談ください。

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