副院長の佳瑛子です。
今季一番の冷え込みと言ってますね。けれど来週は少し暖かいようです🎵
皆さん、体調の変化なく過ごされていますか?
痒み・・は、ヒトでもつらいですが犬猫も同じです。
我が家の下の息子は1歳前から皮膚が弱く、今でも保湿を忘れると、お腹と背中にプツ
プツと湿疹が出始めます。
彼は、大人と違って「掻いたら悪化するし、掻くのやめておこう・・」なんて思いませ
んので 夜も寝ながらバリバリ掻いて出血し、朝にはほっぺに血が固まった状態で起きて
くることもあります(;'∀')
犬猫も子供と同じく、痒いので掻く!!出血するほど掻いてしまう事も少なくありませ
ん。
この猫ちゃんもとても痒く痒く、、
私たちの病院では、皮膚に病変があった場合は、セロハンテープでペタペタし検査した
り、被毛を抜いて検査したり、時には病変部を掘るようにゴリゴリと掻把(そうは)検
査や培養検査を行い、原因を調べ、それにあった治療を行うようにしています。
この子に関しても、セロハンテープ検査と抜毛検査、皮膚糸状菌の培養検査をしました。
その時は、細菌と好中球がたくさんでていたので、皮膚の細菌感染の治療をしまし
た・・・(皮膚糸状菌は陰性でした!)
んが!!治らず・・・・痒みがどんどん強くなる様でした。
そこで追加検査でゴリゴリと掻把(そうは)し、、顕微鏡で見たところ・・
そう、、ダニが住み着いていました。原因は、疥癬(かいせん)でした。
最初に発見してあげられず可哀想なことをしました。
猫疥癬は、ネコショウセンコウヒゼンダニの寄生による皮膚疾患です。
ダニは、表皮の角質層に寄生し、虫道(疥癬トンネル)を作ります。
このヒゼンダニは猫が大好きなので、猫同士の接触により感染していきます。
屋外にでる猫ちゃんの場合は感染機会が増加します。
また、ペットショップ・保護施設での感染も時にはみられます。
角質層に潜んでいるので、皮膚掻把(そうは)検査を行わないと見つかってこない場合
があります。
治療としては、滴下式の駆虫薬を用います。
用いる製剤にもよりますが2週間ごとに6週続けます。同居猫がいる場合はその子も同
時に駆虫を行わなくてはなりません。
基本的に、原因が疥癬のみであれば治療によく反応します。ただ、外にお出かけし感染
してしまった子に関しては、改善後も月に1度の予防薬の塗布をおススメしています。
久しぶりの猫疥癬でした!
強い痒みの原因がわかって安心しました。